女子バレー

新鍋理沙の守備力

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世界バレーを横浜アリーナに見に行って大満足した私ですが、世界バレーを見てたときのネットでの感想でちらちら目に入る
「新鍋変えたら?」論に物申す、と思って今更記事にしてます。今更感がすごい。

新鍋といえば、2012年ロンドンオリンピックの銅メダルに大いに貢献した選手。ほぼスタメンで出てたんじゃなかったっけ。江畑が騒がれ、直前に全日本入りした岩坂が落ち、いつの間にか欠かせない存在になった人。
真鍋監督もどこかで「新鍋が居なきゃあの銅メダルは無かった」と言っていたような記憶がある。それくらい買われている選手。

じゃあなぜ今、「なんで新鍋なの?」って声が上がるのか。
それは彼女は「守備型」の選手であり、「攻撃」ではあまり目立たないから、でしょう。

世界バレーにおいて、新鍋に変わる選手は同じ守備型の内瀬戸か、長岡だった。

これはすごくわかりやすい変更で、

長岡が入れば攻撃型
新鍋が入れば守備型

のチームになる。
長岡はサーブレシーブに入らないので、他の2人のWSがサーブレシーブを取るという形になる。

さて、新鍋の代名詞と言えばこの「サーブレシーブ」、レセプションである。

私はリオのときの負けパターンがまさにこのサーブレシーブの弱さ、逆に言えば各国のサーブの強さ、だったと思う。それが際立ったのが韓国戦。新鍋が抜けた後、石井が狙われてなかなかAパスが入らない。Aパスが入らないと攻撃が読まれる→ブロック。

日本は「多少乱れても、たとえ2枚、3枚ブロックが付こうとも、どんな状態であれ決めきる」というスーパーエースはいません。(役割でいえば長岡。でもやっぱり日本人では身長的に無理がある)

中国のシュテイ選手や昔ロシアで活躍したガモア選手なんかがそんなイメージ。
今Vリーグ見てると、海外選手がその位置にいて、その存在が居ない全日本のチームの厳しさを強く感じる。

だからこそ、日本にとって「Aパスを入れる」というのがものすごく重要で、
速さを生かした攻撃はこれがあるからこそ。

サーブレシーブの要である新鍋は絶対欠かせない存在なんです。

じゃあどれほど新鍋が凄いのか、という話。

そもそも、新鍋は2011年Vプレミアリーグ新人賞を取り、
2012年、2013年とレシーブ賞を受賞。
2014年、2015年、2016年2018年にサーブレシーブ賞。
2017年はMVPに輝いています。

しかも、サーブレシーブ章を取っていない年の成功率が一番高くて「75.5%」。
なんだこの数字。

これだけみたら完全にリベロ。
というか、各チームにリベロは絶対に居る。

わかりますか。

新鍋の守備力は「リベロ以上」。
「サーブが打ててスパイクが打てるリベロ」
なんですよね。

攻守に優れた選手と言えば、木村沙織選手。
ロンドンのときの、木村、佐野、新鍋の守備は鉄壁だった。
(裏に竹下がいるときはディグ力も凄かった)

そんな木村沙織のレセプション成功率は
通年で68.4%。

今の全日本で同じくサーブレシーブを受けている
石井優希選手。
去年、MVP・レシーブ賞を受賞。

彼女のレセプション成功率は、60~65%前後。

世界バレーで完全にエースとして活躍した
古賀紗理那選手。
彼女も新鍋と同じく新人賞からMVPを取ってます。

レセプション率は、50~65%前後。

新鍋と同じく守備的な選手として呼ばれることの多い
内瀬戸真実選手。

レセプション率は、62~67%前後。

この数字だけ見ても、新鍋理沙という選手がどれほどサーブレシーブに欠かせない存在かわかるはず。

もちろん、数字だけじゃわからないこともある。
例えばレシーブがとにかく凄かった佐野優子選手は海外に在籍していたことが多いのでVリーグの数字には出てこないし、
成功率だけ見れば昔の選手のほうが高い。
ただ、ルールやボールが変わったことによって「今のほうが間違いなく取り難い(変化がしやすい)」ので、数字は全体的に下がってると思ってます。
また、狙われる数によっても違うし、隣の人の守備範囲をサポートしたり、逆にサポートされたりすることで数も変わってくるし、
そもそもVリーグと海外戦ではまたちがう。
ただ、ロンドンオリンピックを経験した彼女が、「世界に通用しないわけがない」と私は思う。

木村沙織、佐野、竹下という守備が鉄壁だった人たちが居ない今、新鍋は間違いなく日本の守備の要。

今の全日本のチームは、サーブレシーブができる選手を多く集めてるため、「新鍋の攻撃力が」という気持ちもわかる。だったら石井を入れたほうが攻撃強くなるでしょう、と。

だけど、
世界バレーの最後、新鍋とリベロの小幡の2人でレセプション対応していたのを見て、改めて
ああ、新鍋は外せない選手なんだと確信した。

ただ、世界バレーに限っていえば長岡と新鍋を同時起用していないので、(アジア大会ではやったという記事をインタビューを見た気がする)
新鍋の「レフト、ライトどちらでも入れる」という器用な技術もあり、
現状の選手で考えると

レフト新鍋、セッター対角に長岡、そして新鍋の対角に古賀。
というのを、是非期待している。

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