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いくえみ綾さん原作「G線上のあなたと私」ドラマ感想

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先に言っておきますと、原作のファンです。というより、いくえみ綾さんのファンです。
あの正直、あのいくえみ綾さんの世界観を実写化するのは無理だと思っていたので今まで見ていなかったんですけど、
Amazon Primeにあって、更にこの作品の感想をネットで見かけて、評判が良かったので見てみました。(ただ、仕事をしながら流してたので細かい部分までは見切れていませんが)
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地上波では2019年に放送されたTBSの連続ドラマです。
原作は1~4巻で完結しています。

ちなみにこの後「あなたのことはそれほど」も見るんですけど、こちらを見た理由は「主演が同じ波留さんだったから」でした。
「G線上のあなたと私」の波留さんがとても良かった、じゃあ性格の違う「あなたのことはそれほど」の美都をどう演じるのか?を観たくなったからでした。

「あなたのことはそれほど」の感想は別の記事で。

大人の「趣味」がつなげる人間関係

原作漫画「G線上のあなたと私」については、「いくえみ綾さんの作品にしてはのんびりまったりする作品だあ」という印象でした。
しょっぱなの主人公の也映子の婚約破棄はショッキングだし、
同じ会社で、寿退社して、そのあとに婚約破棄って!!しんどい!!!って思ったけど、「いくえみ綾さんの漫画にしては」割と日常を丁寧に描く作品だなと思いました。

実写化に関しては、最初に書いたように也映子の波留さんがとてもはまっていましたね。
良くも悪くも「普通」な27歳OLからの無職。(原作では25歳)
バイオリン教室で一緒になる、北川さんの役が松下由樹さんなのもハマっていました。
ただし、年齢が原作だと41歳、ドラマだと46歳設定。松下由樹さん52歳なんですね、原作の「北川さん」の年でも行けるような…すごい
北川さんは原作ではそれこそ「普通の主婦」な感じで、松下由樹さんだと美人すぎるんですけど、演技力なのかなあ、全然違和感なかったです。素敵。
同じくバイオリン教室で出会う19歳(これは原作まま)の加瀬理人に中川大志さん。
いくえみ綾さんの描く男性は落ち着いててちょっと大人びているけれど、ドラマの理人は「若いなぁー!」という感じが良く出ててリアルでしたね。

そして、3人のバイオリン教室の美しくて優しい先生、久住眞於先生。
桜井ユキさんという方でした。ここだけ少しイメージが違ったかなと思いつつも、ストーリーの流れで行くとあっていたと思います。

基本はこの4人がバイオリンを通して出会った物語です。

と言っても音楽的に深い話ではなく、あくまで「大人のバイオリン教室で出会った4人の物語」という感じ。
どこまでもリアルで、それが魅力です。

注意)ここからネタバレありますので要注意

ドラマと原作の違い

原作ファンとしてはやっぱりこの「原作との違い」が気になるところですが、
このドラマに関して結論から言うと「改変が素晴らしい」と思いました。

原作については最後がちょっと駆け足だった印象があって、そのあたりを綺麗に補ってくれたドラマだったなと思います。

主に

・北川さんの家族関係
・眞於先生との関係

この二つが大きかったなと。

最初の「北川さんの家族関係」では
まず原作と違うのは、姑さんが「原作ほどひどくはない」というところです。
1、2話目の嫌味だったり、北川家で練習中に温泉を1日切り上げて帰ってくるというエピソードは原作のままですが、
そのあとドラマではかなり歩み寄り、最終的には北川さんの旦那さんに「迎えに行け!」と怒鳴りつけますね。
そういう「完全に北川さんの味方になるシーン」は漫画ではありません。(多少の歩み寄りはありますが)

また、原作だと「まんが喫茶にプチ家出」まではかかれていますが、それによって姑さんまで一緒に迎えに来て、旦那さんが謝罪するというエピソードは完全にドラマオリジナルでしたね。
ただ、原作だと「不完全燃焼ー!!!」って思っていたので、こうやってちゃんと解決を描いてくれたのは個人的には嬉しかったですね。

北川さん本当にいい人で、そのイメージは原作もドラマもぴったり。
年を重ねてから若い人たちと関わるときがきたら、この人を理想にしようと思うほどに…
年の違いに卑屈にならず一歩引いて、也映子の相談相手になって、理人には時に厳しくアドバイスし、優しく見守る距離感。本当にいいひと。

北川さんの抱える「専業主婦の鬱憤」は本当にリアルだなと思いました。

次に「眞於先生との関係性」。
原作では眞於先生はそこまで也映子とも、理人とも打ち解けることはなかったです。
常に「先生と生徒」の距離を保ちつつ、たまに也映子に突っ込まれて素が出るけど、ガードは変わらない。そんな人でした。
ドラマだと「3コン」に先生は来ていませんが(のちに録音を理人から聴かされる)
原作では普通に観客として来て、元婚約者とその家族とも顔を合わせますし、先生自身このときに、教室のスタッフの一人の庄野眞盛さんと一緒に来て
「つきあってるの!?」とバレます。

また、手のことで理人に相談することや、演奏家としてやってみてダメになる、というエピソードもオリジナルでした。

原作だと最後の最後まで眞於先生にとって理人は「対象外」ですが、ドラマは「あり」な感じでしたね。
理人が也映子に惹かれるのがもう少し遅ければ上手くいっていたような…そんな印象を持たせました。

もう一つ、原作と大きな違いが、
理人の兄で眞於先生の元婚約者、加瀬侑人の奥さんが
原作では「ぷっくりした外見のおっとりした女性」だったんですが、ドラマだとなぜか滝沢カレンさん…
ここだけは本当に謎でした。

原作だと「恋愛は眞於さんだけど、現実に結婚して子供を産んで実家で一緒に住むなら今の奥さん」なんだろうなと思わされたのに、
眞於先生と同じくらい美人してどうするの!って思いましたが、
そもそも「別れた理由」も「子どもが出来た」に変えてるんですね…

そしてラストが眞於先生の結婚式で「G線上のアリア」を3人で弾くというもので、凄く綺麗に終わったなーと思いました。
原作だとその手前で終わるので、ドラマとしてのラストとしては、この変更は綺麗でした。

また、原作より眞於先生との関わりを深くすることで、眞於先生が「人間らしく」思えました。
そういう意味ではキャスティングもハマっていたなと思います。
(原作の眞於先生は、別作品ですが「潔く柔く」の心を閉ざしてるカンナのような印象。優しくて綺麗でふわふわするけど、心に闇があって人との距離がある感じ)

原作が好きで原作の設定が違うと「なんでー!?」と思うことも多いですが、
この「G線上のあなたと私」の改変はすごく良くハマっていたと思いました。

大人になるとなかなか繋がりがでいない

これは原作もドラマも共通する感想ですが、
大人になるとなかなか学生のころのように自然に繋がりができないんですよね。
会社のつながりだったり、学生時代のつながりが主で。
なのでこういう「初心者からのバイオリン」という大人の趣味で、年代も性別も越えてつながる関係、素敵だなと思いました。

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