女子バレー

岡山シーガルズ 宮下遥と宇賀神みずきの2セッター

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岡山シーガルズといえば、長年全日本で活躍した山口舞、そして竹下芳江の引退後、「若き期待の大型セッター」として全日本の正セッターを務めた宮下遥のいるチーム。
中田久美に監督が変わってから、宮下がセッターを務める姿を見ることは少なくなった。

Vリーグを見る前、「宮下は?怪我?」と調べたりする中で、岡山シーガルズのことがたまに目に入ってきた。
その印象は「ちょっと独特なチーム」というものだった。
「シーガルズで要求されるトスと、全日本で要求されるトスは違いすぎる」
「シーガルズはネットに近いバレーを好む」というもの。

そして熾烈な全日本セッター争いの中、中田久美の宮下への評価は「身長とディグ(繋ぎ)」というもの。

そしてシーガルズは前シーズンはチャレンジリーグ(現・V2)ということもあって、
「そんなに強いチームではないのかな?」というのが、今回DAZNでVリーグを見る前の印象。

そこから3試合くらい?シーガルズの試合を見て、感想を一言でいうなら、「面白いチーム!」です。

交代が多く、時に2セッター。

最近見た試合は NEC VS 岡山シーガルズの戦い。
2018年12月2日。

その前に見た試合のときも最後のほうで「セッター2人のまま?」とか「宮下がレセプション入ってる…?」とか見てる私は大混乱。
でも12月2日の試合は半分くらい2セッター。

後ろのセッターはレセプションにも入るし、アタックも打つ。

解説の方は「2セッターはスパイカーが大変。2人のトスに合わせなきゃいけないから」と割とマイナスに評価していた印象なんだけど、
私はこれ精度を上げたら面白いなと思った。

なにが強みなのかな?と考えたところ、

・セッターが常に後ろから出てくるため攻撃が常に前3枚(岡山は今のところバックアタックは極端に少ないけれど、後衛のレフト選手がバックアタックを打てば4枚になる)
・セッターが2人居るためつなぎがいい。多少乱れてもいい状態でレフトへトスが上げられる。

そして岡山シーガルズのセッター2人の強みは、今見てる感じだと

・宇賀神みずき、スパイクが上手い(Wikiを見ると中学生からセッターに転向と書いてあるけど、そうは見えないくらい打ちなれてる感じがした)
・宮下遥、ディグ、乱れた2本目のつなぎが上手い

この2人の良さが引き立つ。
特に宮下のディグ。
完全に振り切られたNECの島村のCクイックを何度上げたか。
かと思えばフェイントや何打にも対応。

ディグ力だけ見たら新鍋にも劣らないのではないかと思う。
もともと全日本に居たときも「宮下、竹下みたいに拾うな」という印象があったので、世界でも通用するレベルなはず。
味方がはじいた1本目のレシーブに飛びついてつなぐ力。
中田久美もどこかのインタビューで言ってたけど、宮下の「繋ぐ」能力はトップレベル。
本人も得意とオフィシャルサイトに書いてある。

サーブもブロックも、元から得意な選手。
これに加えてレセプションとアタックをするとなると…

この2人、ほんとに、なんの誤解も無く、本当の意味での「マルチプレーヤー」だ。

そしてシーガルズにはもう一人、リベロの森田 夕貴の2段トスのうまさが際立つ。
アタックラインギリギリからジャンプしてあげるジャンプトスがすごく安定してる。
サイトを見たら「元々セッター、得意技二段トス(ジャンプトス)」とあった。納得。
そうなるとセッターレベルの選手が6人中3人。「多少乱れても攻撃に繋げられる」可能性は他のチームと比べて格段に高い。
私は「セッターと合わせるスパイカーの大変さ」もわかるけれど、
乱れても「攻撃可能なトスが上がってくる確率が高い」ほうがメリットに思う。
ラリー中や強いサーバーと当たったときなど、「Aパスばかりが入る」わけがないのだから。

また、2日の試合を見る限りでは吉岡のディグ力も高い。宮下と吉岡、リベロがバックだったときはボールが本当に落ちない。
時には「ライン超えてるよね?」っていうところでワンタッチを待ち構える守り、ブロックとの関係や読みが秀逸なんだろう。

最初に攻撃で押されても、試合中にどんどん修正してきて、どんどん相手の攻撃が決まらなくなってくる。
その変化がとても面白い。

ただ、他のチームと違い、海外選手が居ない分、攻撃が課題。
また、解説の方が指摘されてるセッターとあわせる難しさもあり、クイックが上手く使いきれてないことも多々。
そこはシーズンが進むごとにどんどん修正されていくだろうと期待してる。
この対戦したのNECには、今や全日本のエースと言える古賀 紗理那がいる。
一人で走り回って力強いクイック、時には高いトスにも対応可能な島村 春世。
途中から入って大活躍した廣瀬 七海や荒谷 栞がいる。
攻撃は間違いなくNECのほうが上だった。

でも岡山は、決められても決められても、どんどん修正していく。
その結果、ラリーが続く。相手の渾身のスパイクが上がる。
私が女子バレーを好きな理由の一つだ。

同じ「守備が良いチーム」はKUROBEもそうなんだけれど、すっかり岡山シーガルズの「2セッター」に夢中になっている。

「何かが起こる予感」をさせてくれるチームだ。

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