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映画「君の膵臓をたべたい」感想

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映画「君の膵臓をたべたい」感想

夫が「これ面白いらしいよ!」と言っていたので、ただそれだけで見た映画。
原作は本屋でよく目にしていたし、話題になった印象もある。
とにかく「タイトルが印象的」。
で、このタイトルに対して「そういう意味だったのか!」とか「そう来るのか!」みたいな感想が多かったので、ちょっと期待してみました。
(とはいえ、私の想像は「タイトルが過激なだけで、普通に泣ける病気ものの恋愛」じゃないかなあと予想していたんだけどね)

結論から言えば、想像がほぼあたっていた。
そういう意味では「ちょっと残念」。前評判を見る限りではもうちょっとなにか、他とは違う「なにか」があるのかなあと期待してしまっただけに。
それは私の「勝手な期待」なので、作品が悪いわけではないのだが。

また、少し前に広瀬すずが主演の「四月は君の嘘」を見たということもあり(こちらは原作も読んでた)、
この二つ共通点のほうが気になってしまったという、見た順番含め時期が悪かったかなあと言う印象。

ネタバレ含むので見ていない方は要注意。

綺麗で悲しいお話

一言で言ってしまえばこれだけです。

病気で余命わずかな少女が、たまたまそれを知ったクラスメートとけなげに、明るく、必死に生きる。
そのこは素直で、いい子で、クラスの中心で、気遣いやで、ほんとは不安も恐怖もあるけど、それを表に出さない…「完璧」な女の子。
対して主人公は、目立たず、友達がおらず、人と関わる事を避けるような男の子。

お互いがお互いに惹かれていくが、病気が…という、本当に「王道な物語」。
そういう目線でみると良くまとまっていて、綺麗で、完成度の高い作品だったと思う。

原作では違うらしいけれど、映画の通り「大人になった主人公」が思い出すという構成からか、
病気の女の子、山内桜良は、「高校生の理想の女の子」のように描かれていた。

これが私にとっては「物足りない」と思わされる一番の理由だったのかもしれない。

完璧すぎる女の子

男の子が「こうあってほしい彼女像」なのかなと思わされるほど、桜良は完璧だった。
我がままなようで真っ直ぐ、感情豊かで明るく元気。
ちょっと気を持たせるようなそぶりを、躊躇いもなくやってのける。
後に「本当は好きだった」というのが明らかになって、より違和感が増す完璧さだった。

高校生の女の子だったら、もうちょっと躊躇したり、不安にさいなまれたり、相手に対してよくない態度を取ってしまったり…そういう「リアリティ」はなかったかなと。
ただ、だからこそ「ただただ綺麗な物語」としてよく見えるという部分もある。

「四月は君の嘘」との似てるところ

桜良が出てきた瞬間、「あれ、四月は君の嘘の広瀬すずっぽい」って思った。
やっぱり主人公2人の性格、病気、そして「君」という呼び方、なんだろうな。
大きな「高校生の女の子が病気、その子を好きになる男の子」という設定以外は特にストーリー上かぶることは無かった。

「君の膵臓をたべたい」の意味

これが一番重要で、一言で言ってしまえば「愛情の表現」なんでしょう。

ただ、私としては「膵臓」とわざわざつけるからには「膵臓ならではのなにか」があってほしかった。
病気の症状でも、「膵臓を食べる」ことに対するなにかでもいい。
これがなかったから「相手を食すること」=「愛情」という、ただそれだけになってしまった残念感が一番大きかった。

この「相手を食することが相手への愛情である」というのをもっと深く掘り下げて欲しかった。

そうではなくただただ王道の話だったのなら、タイトルへの「王道とはちょっと違うかも?」という期待を無くすべきだったかな、と。

漫画「22XX」

清水玲子さんの漫画「22XX」という作品の中で、同じようなテーマがある。
まさに「食べることでその人の中で生き続ける、受け継がれていく」と信じられている人種と、食を必要としない人型ロボットの近未来SF漫画。

最後に「君の膵臓をたべたい」とあったので、ああそういう感情なんだろうな、と思ったのだけど
ただそれにしてはそこに対する掘り下げが無かったな、と思う。(SFでロボットの話にしろと言ってるわけではない)

健康な人でも明日どうなるかわからない

正直「通り魔!?嘘でしょ!待ち合わせに来て北海道出発する寸前倒れて病院で…って流れじゃないの!!!」って思ったんだけど
そういえばずいぶん最初のほうに通り魔の複線があったな、と思いつつ…

最後、死因が病気ではなく通り魔殺人というところが、最大のメッセージだったのかな、と思う。
余命わずかな人間だけが今日を必死に生きるべき、じゃない。
誰だって明日何が起こるかわからない。
桜良のように、誰もが毎日を懸命に、大切に、生きること。

それが最大のメッセージでありそれについてはすごくよく伝わった映画でした。

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