「天使なんかじゃない」「ご近所物語」「NANA」矢沢あい漫画を比べてみた。

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先日眠れずにいたら唐突に矢沢あいさんの漫画が読みたくなったので
各作品を比較してみました。

少女漫画家・矢沢あい といえば「NANA」

NANAの作者、といえば今でも通じる人が多いのではないでしょうか。
NANAはCookieという、1999年に創刊された漫画雑誌にて、創刊号からトップで連載が開始された漫画です。
連載開始から人気になるのはあっという間だったと記憶しています。
中島美嘉主演で映画化され、その映画のためにラルクのhydeが作った曲に原作者が作詞し、中島美嘉が歌う、という豪華な曲「GLAMOROUS SKY」も話題になりました。
(ちなみに続編の「一色」の作曲はGLAYのTAKUROさんです)
アニメやゲームなどにもなり、当時知らない人はいないくらいの大人気作品でした。

全く性格の違う、同じ年の「ナナ」と「奈々」の二人の主人公が出会う、壮大な話です。(いえ、ほんとに…)

現在、ものすっごく気になるところで作者が病気のため、現在まで休止中です。



NANAだけじゃない、矢沢漫画

矢沢あいさんはNANAの前は少女漫画雑誌「リボン」の人気作家さんでした。
「天使なんかじゃない」(以下天ない)、「ご近所物語」、「下弦の月」。
また「ご近所物語」の続編を、ファッション誌「Zipper」にて「Paradise Kiss」を連載。

「ご近所物語」は朝のアニメに、「下弦の月」と「Paradise Kiss」は映画化されています。
(天ないのアニメも発売されてますね)

天ない、は私の世代の漫画じゃないんですが、私には姉がいたので読んでました。

私の中で好きな漫画を上げろ、と言われたら間違いなくあげるのがこの「天ない」と「ご近所物語」です。

「夢」という共通点

「天使なんかじゃない」は創立1年目の高校に入学した主人公「翠」の恋と友情の学園ものです。
詳しい説明は省きますが、基本は「翠」と「晃」の恋愛と、翠の親友「マミリン」の恋愛です。
翠は意外とあっさり夢を決めて、それをかなえるまでがさらっと書かれています。

夢と恋愛に悩んでいたのは「マミリン」です。

マミリンは一話からずっと、同じ中学からきた同じ生徒会の「タキガワマン」に片想いしてるのですが、
タキガワマンには超美少女で後輩の、志乃ちゃんという彼女がいます。
この3人の関係がまた切なくて辛くて、主人公、翠と晃の恋愛と同じくらい感情移入して読んでた方も多いのではいでしょうか。

で、いろいろあって、マミリンとタキガワマンが付き合うことになるのですが、
実はマミリンは、通訳になる夢を追ってイギリスに留学するという目標があって勉強していました。

5年の片想いの末に叶った恋と、ずっと友達と呼べる人がいなかったマミリンにとっての翠の存在。
行くか、辞めるか、と悩む(というよりもめる?)シーンがあります。

また、晃と翠の憧れの存在、「マキちゃん」が、教師と言う夢をかなえた後、大好きな「将史」の「世界中で絵を描きたい」という夢に、
「なんで付いていけなかったんだろう」と苦悩し後悔するところも印象的。

このマミリンの悩みが、「ご近所物語」で描かれた実果子の苦悩とかぶるのです。

ご近所物語の実果子も、中学時代いじめにあって、「ファッションデザイナーになる!」という夢と、幼馴染の「ツトム」の存在によって
支えられて強く生きてきた女の子(いじっぱりで友達いなかった設定はちょっとマミリンとかぶる…)
高校は「矢澤芸術学院」(文化服装学院がモデルとなってるそうです)という芸術に特化した学校に入学し、夢とツトムとの恋の話しなのですが、
実果子にはファッションの才能がありました。

学校の学園祭のファッションショーで1位をとり、ロンドンの姉妹校に留学する権利を得るのです。



ここでツトムとの関係を思い、行くかどうかを悩みます。

(一緒に賞をとった親友のリサは、即座に彼氏と離れたくないと断ります)

対するツトムは、「実果子がいるからなんとなく」と一緒の学校に進み、「本人曰く芸術」のガラクタを作っていました。
特に夢もなく、夢も才能もある実果子とのギャップに悩みます。

また、ご近所物語のもう一つの恋愛ストーリーとして読ませるのは
絵が上手いけど本気にならない「勇介」と、課題なんてつまらない、遊びたいという一つ上の先輩「バディ子」。
そしてその勇介の絵に惚れ、本人にも片想い、どうにか才能を生かして欲しいと願う「歩」の三角関係。

高校生なのに、夢があって、それに向かって真っ直ぐであることが「当然」のような学校で、何も見つけられずに苦しむバディ子と
その気持ちがわかるばかりに、つめることができない勇介。
そして最後は歩が勇介をその気にさせる、というところまで描かれます。

間違いなく、このご近所物語のテーマは「夢」だったんでしょう。

「ご近所物語」に関してはみんながそれぞれ夢をかなえたところが番外編や続編の「パラキス」で明らかにされています。

そしてこの「夢と恋愛」を大きく取り扱ったのが
「NANA」なんじゃないかなあと思うのです。

「NANA」も、そもそも
バンドで成功したいと夢を追い上京したナナと、
夢はないけどとにかく彼氏と一緒に暮らしたい!という一心で上京する奈々。
すでにここで対比がありますね。

ただし、NANAの場合は「ご近所物語」や「天使なんかじゃない」のように「夢を叶えることを決意する」漫画ではなく、
「夢をかなえるってこんな大変」というリアルなドラマです。
(それにしてもナナのバンドの成功は早すぎだと感じますが!笑)

特に先に成功している、ナナの彼氏、レンがいるバンド「トラネス」。
成功して売れてるのに…たくさんの悩みや葛藤が描かれています。

NANAは、前2作と違って、たくさんの人が出てきてそれぞれにフォーカスし、
恋愛、浮気、妊娠、薬、出生、死、などとにかく盛りだくさん。相関図つくると多分すごいことになります(笑)

そして途中から、未来を入れてくるようになり、その未来に出てくる子どもたちが「誰と誰の子?」という謎を残したまま
現在休止中です…

おそらく「夢をかなえた後」まで描かれるのだと思います。

ご近所物語と天ないに関しては「こういうことを言いたくてこういう設定なんだろうな」っていうのがなんとなくわかるのですが
(ご近所の、ツトムが嫉妬する相手が実果子が好き、というベタなライバルではなく、才能があって実果子と夢を語りあえる星次という存在とか。ここからツトムの苦悩が加速する)
NANAに関してはさっぱりわかりません!笑
シンちゃんが薬で捕まるシーンとか、ヤスが地元のファンと関係がありそうな雰囲気をだすところとか。
シンちゃんの過去や闇とか…後々必要になってくるのかなー?と、想像するしかありません。



それぞれの夢への悩み

才能がある故にある悩み、やりたいことが見つけられないもどかしさ、
とにかく恋愛に生きることに必死で先を見れない悩み、夢をかなえた後の孤独や葛藤…
矢沢あいさんの漫画はとにかく色んな「夢」に悩むキャラクターたちが魅力です。
(その点、天ないの翠と晃は、恋愛や家庭で散々悩んだ分、あっさりしてたなあ。笑)

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