読書記録をこのブログに書いて行こうと思う。今回は「このミステリーがすごい!大賞2022」(このミス)から文庫グランプリ受賞作品です。
文章が美しいなと思ったらすでに作家の方なんですね。
内容は、とにかく伏線の嵐→最後の最後でどんでん返しの嵐、です。こういうのがお好きな方はぜひ。
以下ネタバレあります。
個人的には「どんでん返しの嵐」があまり面白いと思えなかったというのが一番大きな感想でした。
細かな伏線があるのはわかる、ああ、そういうことねと思うことも多かった、でもそのほとんどの叙述トリックに既視感があるというか。
やれるもの全部詰め込みました!みたいな感じでした。
その中でも「名前」のトリックはずるいなあと思うし、タイトルについても「ずるい」と思ってしまいました。この話なら「レモン」は違うでしょ、と。
タイトルでミスリードさせるより、「葉桜の季節に君を思うということ」のように「ああ、だからタイトルがこうなんだ」と思わせてくれた方が良かったなと。「レモン」は完全にミスリードを誘ってる。
それはありなのか?というトリックがところどころにあって気になってしまいました。
あと、途中で消えてしまった男たちのゆくえだったり、「あ、それはそれで終わりなの?」というぶつ切り感が気になってしまいました。
一言でいうと感情移入ができなかった……なので、だったら「そういうことか!」と膝を叩くようなラストを期待したんですが、
とにかく最後に詰め込みに詰め込まれてて……好みですが、私は「そっちじゃなかったなあ」という気持ちでした。
あの人は結局いい人だったのか違うのかどっちなんだい。
どんでん返しが大好き!という方にはお勧めです。
たぶん、好きな人は好き。この小説。
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