女子バレー

全日本女子バレーのロンドン、リオと現在の比較

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ものすごーく個人的な見解で語ります。
※しかもすみませんVリーグ見てなくて、全日本だけずっと見てる女子バレーファンです。

つたない知識ですが伝えたい。全日本女子バレーってすごいんだよ!

メディアで取り上げられることが多かったり、なぜかジャニーズのデビューの場として使われたり、
批判の声も強い中(特に結果が出てなかったころ…)それでもメダルはなくとも5,6位には常にいる。
オリンピックに出られなかった都市もあるけれど、どちらかというと「出て当然」の空気です。

世界との身長差が大きい中で、結果を出し続けてる

メディアのごり押しにうんざりする気持ちはわかるし、もうちょっと考えて欲しいと思う反面、
もっと評価されてもいいんじゃないか?と思うスポーツです。

木村沙織引退、中田ジャパン発動

私の家族は母親と3姉妹全員バレー経験者で、(私は中学だけですが)全日本女子バレーは当たり前みたいにみんなで見てました。
小学校のときのメンバーはあまり鮮明に覚えていませんが、大林素子さんが現役の時代から見ていた記憶があります。
多治見選手や佐伯選手など。
高校時代、木村沙織と言う選手が同世代で全日本入りしたというニュースがあり、そこからまた女子バレーを見始めました。
家族でなんとなく見る、から自らみたい!に変わったのはこのあたり。
私にとって木村沙織と言う選手は偉大すぎる人でした。

初期の「東洋の魔女」以降、長く低迷が続く女子バレーが、2010年に久々の銅メダル(世界バレー)。
これが3年後の2012年ロンドン五輪の銅メダルにつながります。

ただし、その後の2016年リオ、木村沙織がキャプテンを勤めて金を狙いに行った五輪で敗退。(5位)引退となりました。
そして現在、全日本のセッターだった中田久美が久光製薬で3連覇を達成し、全日本の監督として就任。新たな女子バレーの始まりです。

2012年ロンドン五輪の銅メダル

この要因から考えたいと思います。
2010年、世界バレーで結果を出した真鍋ジャパン。
このころ出てきた選手と言えば、

・江畑(WS・ウィングスパイカー。両サイドから打つアタッカー)
・迫田(WS)

この二人ですね。特に江畑の活躍が目覚しく、次期エースと言われていました。

そして2011年のワールドグランプリで、

・新鍋(WS)
・岩坂(MB・ミドルブロッカー。センターブロッカー)

この二人が参加。

迫田は大山加奈の負傷、岩坂は大友愛の負傷から選出されたと記憶しています。
2012年のオリンピックメンバーには、

・大友(MB)
・井上(MB)
・岩坂(MB)
・栗原(WS)
・石田(WS)
・江畑(WS)
・迫田(WS)

誰が選出されるか?注目されました。

結果2012年オリンピックメンバーに選出されたメンバーは以下。

・竹下(S・セッター)
・木村(WS)
・荒木(MB・キャプテン)
・山口(MB)
・大友(MB)
・井上(MB)
・江畑(WS)
・迫田(WS)
・新鍋(WS)
・佐野(L・リベロ)
・狩野(WS)
・中道(S)

その前にエースを務めていた栗原と若く期待されていたミドルの岩坂、サーブが抜群によかった石田が選出されませんでした。
(正直、迫田が残るかどうかどきどきしてみてました…また、ミドルに井上か岩坂か?というところも注目されていたように思います。)

2012年ロンドン五輪の強さ

やはり守備力。これに尽きると思います。

サーブレシーブ(レセプション)を受ける選手が

・リベロの佐野
・木村沙織
・新鍋理沙

鉄壁ですよね。
さらにセッター竹下の正確なトス+守備力。
竹下の身長の低さから、竹下の上から打たれることは何度もあった。そこを救ったのが後ろのレシーブ陣です。
若い江畑、迫田、新鍋を生かす土台があったんだと思います。

日本女子バレーは「速さ」と言いますが、この速さと言うのは、サーブレシーブが崩れると全く無意味なんです。
サーブレシーブがきっちりセッターに入るからこそ、3枚の攻撃が可能になる。
日本には、今の中国やロシアのような絶対エースはいません。「この人が打てば絶対決まる!」というような選手は、
身長差から考えて、どうしても難しいのです。
となれば、どの国よりも完璧な連携・チームプレーが求められます。
守備からの速い攻撃。
そして逆の考えで、ブロックが機能するためには、サーブで相手を崩し、単調な攻撃をさせること。

・木村
・竹下

この二人が相手を崩すサーブに長けていたと思います。

このチームの欠点

やはりセッターの身長。ブロックの上から打たれるので、ここは間違いなくウィークポイントでした。
ただし、それでも選出されるほどのトスの精度、レシーブ、サーブ。間違いなく一流の選手でした。

また、リベロ佐野。
佐野の守備力は間違いなく世界トップレベルでしたが、オーバーでのトスが苦手
アンダートスからの早いバックアタックの連携はありましたが、やはりオーバートスが使えないと言うのは2段トスの弱点でした。(木村が上げることも多かった)
現在(2017年)のリベロがセッター経験者なので、その違いは歴然ですね。

2016リオ五輪の5位 竹下、佐野の引退

守備が鉄壁だったロンドン五輪でも3位。その上に行くには攻撃力を増すしかない。
ということで、真鍋監督が打ち出したのが「ハイブリット6」や「MB1」ということで「通常2名のブロッカーを1名にしよう」という戦術を打ち出しました。
ブロッカーはブロック、つまり守備の選手です。
そこに一人スパイカーを加えることによって、攻撃力を増そう!という作戦だったかと思います。
Aパスが入ったときに4枚の攻撃が可能になることで、ブロックを絞らせない。

また、竹下、佐野、大友、井上の引退でメンバーもガラッと若返り。
木村も引退を迷った末に真鍋監督に引き止められたとのこと。

・石井(WS)
・古賀(WS)
・宮部(WS)
・長岡(WS)
・宮下(S)
・佐藤(L)
・大竹(MB)
・島村(MB)
・鍋谷(WS)

初めて参加するメンバーが増えました。
ここで痛かったのが、竹下、佐野の引退に加えて、江畑・新鍋の負傷。二人はリオ五輪には出ていません。(新鍋は辞退だと思っていたけど先日怪我だったと言われてましたね)
長く全日本セッターだった竹下の引退により、次のセッターに注目される中、若く長身セッターということで、宮下は当時ずいぶん騒がれました。

リオ五輪の最終メンバーは

・木村(WS・キャプテン)
・荒木(MB)
・宮下(S)
・山口(MB)
・迫田(WS)
・座安(L・レシーバー)
・佐藤(L)
・石井(WS)
・長岡(WS)
・島村(MB)
・鍋谷(WS)
・田代(S)

古賀はオリンピック直前の試合で調子が上がらず選出外。

リオ五輪の強さ

やはり長岡の左利きエース。
レフト・ライトからの両エースというのはやぱり魅力。
長岡はこの直前にVリーグでMVPを取っていて、間違いなく日本のエースになりえる存在ですね。

また、宮下の身長、レシーブ力、サーブ力。
トスは竹下に比べると不安定だったけれど、初選出と若さを考えると間違いなくこれからの選手。

また、サーブが強かった。

・木村
・石井
・鍋谷
・宮下
・島村
・荒木

このあたりのサーブが武器でしたね。

リオ五輪の弱点

ロンドンと比較して間違いないのが、守備力の低下です。
守備を犠牲にして攻撃力を上げる、ということからしょうがなかったことかもしれませんが、
おそらく「ミドルが減る」ことによる「ブロック力の低下」は考えていたけれど、
「レシーブ力の低下」は、当初予定外だったんじゃないでしょうか。

ロンドン後、佐野は当時まだ引退していませんでした。
そこから佐野の引退、また、サーブレシーブNo.1の新鍋の怪我により、リベロともう一人、座安がレシーブ専門で選出されました。

サーブレシーブは

・木村
・佐藤(リベロ)
・石井(鍋谷)

ここで石井が狙われて崩されて、予選の韓国に敗北。
そこで、石井がバックの場合に、座安と交代してレシーブ力を上げるという作戦。

・木村
・座安
・佐藤

いやいや、これ攻撃増やした意味なくない?

と、正直思わなくもなかったです…
が、直前の古賀と、予選の石井のサーブレシーブの精度を見ると、そうせざるをえなかったんでしょう。
ただ、交代にも制限があり、毎回変わるわけにいきません。

ロンドンの「木村・新鍋・佐野」と比較すると、サーブでやられる理由もわかるなあと。

石井だけじゃない、みんな崩れていた、という見方もあるでしょう。
ただ、一人が狙われ崩されると、フォローするために他の2人の守備範囲が広がります。
そこで他のメンバーも不安定になるという負の連鎖が生まれる。

そしてそうなると、いくら攻撃枚数を増やそうが、意味がないんですよ。
これが予選で韓国戦に破れ、決勝でいきなり予選突破1位のアメリカと戦わざるをえなかった理由です。
木村や長岡の波もあったし、セッターの波もあったけど、「サーブレシーブの弱さ」に尽きるかなと。

予選のタイ戦も、フルセットまでもつれ込み、相手のレッドーカード連発でギリギリ突破。
フルセットで5、6点差開いたのかな?もう無理だと思いました。
相手の監督が判定に猛抗議したお陰で2、3点もらえたというラッキーと言うかなんというか……

木村の最後のオリンピックとしては、大変だっただろうなーと、思います。
新鍋がいたら違っていただろうなと考えていました。

2017年グラチャン

そして木村沙織と言う長年全日本エースを務めた選手が引退し、監督も変わり、新たなチームになりました。
監督に中田久美さんが決まったとき、「新鍋・岩坂が全日本に戻ってくる!」と考え、嬉しかった。
予想通り、二人はチームの中心として戻ってきました。
(キャプテン新鍋と予想したが岩坂でした。意外!)

セッターは宮下かと思いきや、怪我。
長岡、古賀は必須かと思いきや、怪我。
全日本はもう終わりかな?と思いきや、荒木の大活躍(出産してからのほうが活躍してませんか?笑)

そんな中始まったグラチャンでした。
メンバーは以下。

・岩坂(MB・キャプテン)
・新鍋(WS)
・内瀬戸(WS)
・鍋谷(WS)
・島村(MB)
・奥村(MB)
・堀川(WS)
・小幡(L)
・井上(L)
・冨永(S)
・佐藤(S)
・野本(WS)

古賀、長岡がエースと言われていた中、二人が怪我のため「エース不在」で臨んだ大会。
直前のワールドグランプリで外れた石井が戻ってきました。

2017年グラチャンの強さ

サーブレシーブが安定した!

・新鍋
・井上または小幡(リベロ)
・内瀬戸または鍋谷

やっぱり新鍋の存在は大きい。
新鍋とリベロが並ぶと間違いなく安定するんですよね。
また、内瀬戸もすごく安定感のあるレシーブ力。

リベロのトスの上手さ

井上は元セッターと言っていた気がします。
2段トスが安定しているから、多少乱れたボールもきっちり攻撃に繋がる。
これが佐野との一番の違いでしょうか。

セッター富永のスパイク

この人も、もとアタッカー。攻撃的ですね。
攻撃が2枚のとき(セッターが前衛の場合)、打てるセッターは強い。
スパイカーが決めてくれなくなったら自分で打っちゃう強気セッター好きです。
というか、ブロックが付くことで両スパイカーがちょっと楽になります。

サーブ!サーブ!

新鍋がかつての木村のように、「欲しいときに決めてくれる人」になっていて驚いた。
スパイクももちろん、サーブが進化してましたね。

また、冨永のサーブはすごかった。
鍋谷もよかったし、
石井、岩坂、荒木も本来良いサーブを打つ選手。
ロンドンに比べてサーブ力は間違いなくアップしてると思います。

(大友、山口がサーブ苦手でしたのでなおさらミドルのサーブは強化されてる)

2017年グラチャンの弱点

ただし、やはりその分攻撃力は下がります。
そこで頑張らないといけないのは、「ポイントゲッター(サーブレシーブをしない人)」のWS。
今回では石井、野本ですね。
本来ここに入るのが長岡だったと思うので、そこは二人が頑張らなきゃいけなかったけれど、
「高いブロッカーがそろったとき」に手も足も出なくなっちゃうのをどうにかしたいところですね。

寧ろ新鍋・鍋谷・内瀬戸が上手くブロックを利用して乗り切ってる場面も多々あり、
このあたりの上手さと、長岡・石井・野本の高くパンチ力のあるスパイカー陣が上手くかみ合えば攻撃力は上がりそう。

これからの期待

ということで、今のチームに長岡が復帰したらどんなことになるのか期待しかないです。
ライトエースが入ることによってまた全然変わってくるはず。

また、古賀、宮下の復帰で、メンバー選出含めどうなるか。

木村沙織という「攻守ともに優れて安定した選手」が抜けた穴を、新鍋や内瀬戸が埋めてくれてるように思います。
守備の強さが戻った日本は、きっと強くなる!

これだけはいいたい、2012年より前に活躍した選手

大好きだった選手がいます。高橋みゆきという選手です。
2010年の銅メダルの直前、2009年に辞めてしまい、「なぜーーーーー!!!!?」と一人もだえていましたが。笑
竹下ともに、結果が出ない不遇の時代を支えた選手でした。

内瀬戸が「高橋みゆき選手に憧れて」というナレーションがありましたが、
身長が170ちょっとで、2005年ワールドグランプリ、日本がメダルを取っていないという状況(5位)で、なぜか得点王になるような人でした。
(テレビで見ていてちょっと意味がわからなかったよ!笑)

身長が低いからこそ考える、徹底的にブロッカーを利用して点数を重ねてく、とにかく「巧い」選手でした。
レシーブ力も高かった。

竹下も高橋も、世界で活躍するには身長足りないよね、って思われるような人たちに希望を与えてくれる選手だったと思います。

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竹下選手がセッター、木村沙織選手がエースときの活躍が見れます。
全盛期だったと思う。

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